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2006年11月02日
コンビニ、高齢者をターゲットにする
■ 地域の交流拠点にも期待
少子高齢化の進展で若者頼みの成長に限界が見えてきたコンビニ業界が、お年寄りに目を向け始めた。店内に休憩所を設けたり「ご用聞き」を復活させたりと、触れ合い重視の戦略に知恵を絞る。市街地の衰退に悩む地方自治体からも、交流拠点に育てて街づくりの柱になればと期待する声も上がる。人口減少時代の突入とともに、コンビニは変容しつつある。
▽憩いの場所に
野菜や飲み物などに混じって、
商品棚には和菓子や健康食品、補聴器用電池が並ぶ。ローソンが兵庫県淡路市に七月、店舗を改装してオープンした「高齢者向けコンビニ」だ。同社のこれまでの店舗では、あり得なかった品ぞろえ。続々と訪れるお年寄りは、じっくりと品定めを始めた。
店内には広々とした休憩スペースも用意、
マッサージチェアも置いた。「一人暮らしのお年寄りが気軽に集まれる場所」が狙い。開店から約一カ月半たったが「改装前と比べて客数は二倍、一日の売上高は20―30%増」といい「今のところ大成功」と胸を張る。
淡路市の人口に占める六十五歳以上の比率は26・8%(二〇〇〇年)で、高齢化は進む。ローソンの新浪剛史(にいなみ・たけし)社長は「街に合わせ、店を変えていく。そうすればコンビニ市場はまだ拡大する」といい「高齢社会を逆風からフォローの風に変える」と力を込めた。
▽接客にも工夫
「今日は暑いですね」。「そうだねえ。じゃあ、次はうなぎ弁当をお願いしようかな」
東京都世田谷区の住宅街。セブン―イレブン・ジャパンの「桜上水二丁目店」のオーナー、田中忠広(たなか・ただひろ)さん(41)が、近くに住む無職鈴木辰男(すずき・たつお)さん(72)の自宅を訪ね、言葉を交わす。注文を受けていた弁当やパンを届け、次の注文も聞く。
同社が始めた
「ご用聞き」のサービス。荷物を抱えて歩く買い物が大変な高齢者には好評だ。情報技術(IT)を駆使し無駄を徹底して省いてきたコンビニにとって、先祖返りしたような手法だが「売り上げは大きく伸びている」(セブン―イレブン)という。
同じ東京・世田谷にダイエーが出店した小型スーパー「フーディアム」では、小分けした総菜が高齢者の人気を集める。売り場にはパートの主婦を張り付け、温かみのある接客を工夫する。「人件費はかかるが、客と顔なじみになってもらうことが大切」(伊藤博(いとう・ひろし)タスク店長)という。高齢者への熱い視線は流通業界全体に広がりつつある。
▽街並み再生に
コンビニの地域密着戦略は、地方自治体の街づくりの「援軍」にもなりそうだ。郊外の大型店やショッピングセンターに人が流れ、市街地の空洞化が進行。コンビニが核になり、街並み再生につながればとの計算だ。
マンションや住宅の建設に補助金を出すなど、中心地の人口増加に取り組んでいる富山市。高齢者が市街地に戻り始めたが「八百屋や鮮魚店が減ってしまい、身近に買い物できる場所がない。コンビニが増えるのは大歓迎」(同市)という。
住民が市街地にまとまって住む「コンパクト・シティ」構想は、経費を節約し行政サービス効率を高めるのが狙い。人口減少時代を迎え、街づくりの柱の一つとなっており、市街地をきめ細かくカバーしているコンビニが、住民をつなぐ拠点になる可能性もある。
日本総合研究所の小屋知幸(こや・ともゆき)主席研究員は、高齢者向けの市場を「残された成長市場」とみる。ただ「地方の場合、市場規模が小さく高齢者向け事業の採算面が課題。新たな商品開発など、さらなる革新が必要」と指摘する。経営効率を高めながら、地域にどう根を下ろすか。コンビニの新たな課題となっている。
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投稿者: 日時: 2006年11月02日 22:04 | パーマリンク |TOPページへ ▲画面上へ
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